地デジでテレビ生活

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地上デジタル放送で行なわれる携帯電話などの移動体向けの放送。2006年4月1日放送開始。もともと技術的呼称として1セグメント放送と呼ばれていたが、地上デジタル放送推進協会によって2005年9月にワンセグという名称が決定された。
日本の地上デジタル放送方式では、1つのチャンネルが13の「セグメント」に分割されており、これをいくつか束ねて映像やデータ、音声などを送信している。ハイビジョン放送(HDTV)は12セグメント必要だが、通常画質の放送(SDTV)は4セグメントで済むため、3つの異なる番組を1つのチャンネルで同時に放送することもできる。

ワンセグの魅力とは
移動中の車の中や待ち合わせの待ち時間など、どこでも手軽にケータイでテレビが見られるのが一番の魅力でしょう。スポーツ中継のように、リアルタイムで見たい番組は少なくありません。字幕放送にも対応していますから、音を出せない場所でテレビを見たいときにも使えます。
また、テレビ番組内で紹介しているお店の情報等をデータ放送で受信できたり、ケータイサイトと連動して商品を購入できるなどのサービスも期待できます。これまでのテレビから一歩進んだサービスを、ケータイからも利用できるというわけですね。
また、地震や台風などの災害時に情報ツールとしても多く検討されています。これまでその主流であったラジオにプラス・アルファされ視覚的に情報を得ることのできる重要な役割も担っています。
ワンセグでテレビ番組を見るだけなら、通話料も通信料もかかりません。無料なのも大きな魅力です。
現在、ワンセグで放送されている番組は、普通の固定型テレビ向けの地上デジタルテレビ放送と同じ番組を同じ時間に放送しています（これを「サイマル放送」と呼びます）。
今後、地上デジタルが普及すると、ワンセグ用に独自番組が放送される可能性もあります。新しいコンテンツも期待したいところです。

アナログ放送との違い
ワンセグが始まる以前から、アナログの電波を受信してテレビ放送を視聴できるケータイはありました。
その頃の機種をご存じの方は、雑音や画像が一部乱れるような見苦しさを経験されているかもしれません。
デジタル放送のワンセグでは、今までのアナログ放送と違い、電波が受信可能な場所であれば移動中やビルなどの影響を受けにくく、鮮明な画像で試聴しつづけることが可能です。（ただし、ビルや地下など受信条件の悪い場合には、映像が映らなくなることもあります。）

ワンセグでは、放送の方式はARIB（電波産業会）で策定された、TR-B14/Cプロファイルが利用され、映像コーデックには、MPEG-2やMPEG-4よりも特に低いビットレートでの圧縮に優れた「H.264/AVC」を利用しています。
音声コーデックには、MPEG-2やMPEG-4でも利用されるAACが採用されるほか、低ビット帯域の拡張技術であるSBR（Spectral Band Replication）を加えた「AAC＋SBR」での利用も可能です。
映像・音声のビットレートは約312kbps、画面サイズはQVGAサイズの320×240、または320×180ピクセルとなっており、家庭の固定テレビで受信できる地上デジタル放送のようには綺麗ではありませんが、携帯電話や携帯機器の画面には十分なクオリティが確保できるでしょう。
また、データ放送では、BML(Broadcast Markup Language)と呼ばれる、XMLベースの記述言語によるデータが送られるため、ワンセグ受信機には、テレビとしての機能だけでなく、BMLブラウザとしての機能も搭載されます。
テキストデータのほか、JPEG、GIFといった静止画像データの送信も可能で、XMLなどと同様、画面内にボタンを配置したり、インターネットへのリンクなどを書くこともできます。
たとえば、データ放送上に、画面中に文字やボタンを配置して簡単なホームページのようなデザインを施し、ボタンをクリックするとiモードなどのWebページにアクセスするといったようなことが可能です。
映像と音声を楽しめる番組を受信できること、そしてデータ放送も受信できるということは、これまでの放送の特長である「一斉に多くのユーザーに送信」「プッシュ配信」ということに、インターネットや通信の特長である「双方向性」「リンク情報の提供」などが融合したような番組を作ることも可能になるのです。
ワンセグ向けとして、BMLには、電子メールとの連携、スケジュール帳との連携、位置情報との連携などの機能も追加されているので、携帯電話の特徴的な機能を組み合わせたサービスも登場するかもしれません。

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Last update:2016/4/22